亡くなられた方(被相続人)が所有していた不動産を、相続人や受遺者の名義に変更するために行うのが不動産相続登記です。正確にいえば、「相続を原因とする不動産の所有権移転登記」ですが、通常は相続登記、または、相続による名義変更登記などと言っています。

ただし、不動産登記の用語としての「名義変更」登記とは、所有者の住所や氏名を変更するための登記を指します。たとえば、不動産の所有者として登記されている人(所有権登記名義人)が、引っ越しをして住民票を移した場合にするのが「所有権登記名義人住所変更登記」、結婚などにより氏名が変わったときにするのが「所有権登記名義人氏名変更登記」です。

ところで、自分が現在住んでいる不動産(マイホーム)であれば、引っ越しをするという際には、その不動産を売却することが多いでしょう。この場合には、不動産の所有者として登記されている住所と、住民票や印鑑証明書に記載されている住所と異なることは通常は無いはずです。しかし、別荘だったり、親から相続した土地家屋などの場合には、そうではありません。

また、所有権登記名義人の氏名が結婚などにより変わった場合には、所有権登記名義人氏名変更の登記が必要です。これが、本来の意味での名義変更登記で、司法書士などの関係者は名変(めいへん)と言うことが多いです。つまり、名変と言ったら、所有権移転登記ではなく、所有権登記名義人住所変更(または、所有権登記名義人氏名変更)などを指すわけです。