注意事項(このページについて)

このページには相続登記に関連する先例や質疑応答を掲載していますが、司法書士高島一寛が実務に使用するために作成しているものであるため、必要な箇所のみ抜粋したり要約している箇所もあります。参考にしていただくのは差し支えありませんが、誤りなどがあっても当事務所では一切の責任を負いかねます。また、このページに記載されていることについての質問等は受け付けておりません

(最終更新日:2022/2/17)

遺産分割協議による相続登記をするとき、相続人中に成年後見人が選任されている人がいる場合、遺産分割協議書への署名押印は成年後見人がおこない、印鑑証明書も成年後見人のものを添付します。

このとき添付する印鑑証明書は、市町村長が発行する成年後見人個人の印鑑証明書ですが、成年後年人が弁護士や司法書士である場合には、裁判所書記官が作成した印鑑証明書を使用することもできます。

弁護士や司法書士が成年後見人に選任されている場合、成年後見登記の登記事項証明書には、成年後見人の住所として事務所所在地が記載されているのが通常でしょう。

そして、裁判所書記官が作成する印鑑証明書には、成年後見人の住所として登記された住所(事務所所在地)が記載されているので、相続登記の際にはこの印鑑証明書と成年後見人の登記事項証明書を添付すればよいわけです。

ところが、成年後見人である弁護士や司法書士が市区町村長発行の印鑑証明書を添付しようとする場合、印鑑証明書に記載されているのは個人の住所、成年後見の登記事項証明書に記載されているのが事務所所在地であったならば、両者が同一人であることを証明する必要があります。

そこで、成年後見人事務所所在地と個人住所との両方が載っている、弁護士会発行の弁護士登録証明書などもあわせて添付することになります。

なお、弁護士会が発行する印鑑登録証明書や、司法書士会が発行する職印証明書は、相続登記のための遺産分割協議書に添付する印鑑証明書とすることは認められません。

裁判所書記官が作成した不在者財産管理人、相続財産管理人及び成年後見人の印鑑に関する証明書は、不動産登記規則第48条第1項第3号に規定する印鑑証明書として取り扱って差し支えない(登研815条171頁)

不動産登記規則第48条(申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合)

令第16条第2項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

(一、二 省略)

三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合

不動産登記令第16条(申請情報を記載した書面への記名押印等)

 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。

2 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。次条第1項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。

3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後3月以内のものでなければならない。

(4、5 省略)

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