相続登記の登記申請書について、一般的な書式例を示すとともに、記載方法などについての解説をしています。なお、このページで解説しているのは、遺産分割による相続登記の場合についてです。

申請書の記載や解説はできる限り正確であるよう努めていますが、その正確性について一切の保証をするものではありません。したがって、このページを参考にして相続登記申請をした場合の結果についても、当事務所では一切の責任を負いかねます。

また、高島司法書士事務所(千葉県松戸市)では、相続人がご自分で作成した登記申請書などのチェック(確認、添削)などは承っておりません。当事務所へ相続登記のご相談・ご依頼をいただく場合、登記申請書などの書類作成もすべておまかせください。

登記申請書記載例(遺産分割協議による相続登記)

登記申請書

登記の目的 所有権移転

原因 令和3年○月○日 相続

相続人(被相続人 松戸 一郎)

千葉県柏市柏一丁目1番○号

松戸 花子

添付情報 登記原因証明情報 住所証明情報 代理権限証明情報

令和4年○月○日申請  千葉地方法務局松戸支局  御中

代理人 千葉県松戸市松戸○番地の1

甲野 一郎(印)

連絡先の電話番号 047-703-3201

課税価格 金1,000万円

登録免許税 金4万円

不動産の表示

不動産番号 04020000×××××

所在 松戸市松戸

地番 1176番2

地目  宅地

地積  100.00平方メートル

不動産番号 04020000×××××

所在  松戸市松戸1176番地2

家屋番号 1176番2

書類 居宅

構造 木造瓦葺2階建

床面積 1階50.00平方メートル
    2階40.00平方メートル

・登記の目的

被相続人が単独で所有していた場合には「所有権移転」、共有であったときには「○○持分全部移転」(○○は被相続人の氏名)となる。

・原因

被相続人が死亡した年月日を記載する。戸籍の記載されているのが年月日だけでなく、「推定平成○年○月○日死亡」とあるときは「推定平成○年○月○日相続」、「平成○年○月○日頃死亡」のときは「平成○年○月○日頃相続」のように戸籍の記載にしたがうのが原則。

被相続人の死亡日時が判明しないため、戸籍上「昭和○年○月○日から○月○日の間に死亡」と記載されている場合の当該被相続人の相続登記の登記原因は、「昭和○年○月○日から○月○日の間相続」として差し支えない(登研337)。

・相続人

被相続人の氏名をカッコ書きした後に、申請人(不動産を取得する相続人)の住所氏名を記載する。2名以上が共有で取得する場合には下記のように持分も記載する。

相続人(被相続人 松戸 一郎)
  千葉県柏市柏一丁目1番○号
  持分2分の1 松戸 花子
  千葉県松戸市新松戸二丁目○番地
    2分の1 松戸 一夫

代理人によらずに、申請人(相続人)自身が登記申請する際の記載は次のとおり。連絡先の電話番号は、補正があった場合に法務局からの連絡を受けるために記載する。平日の日中に電話に出られるものであれば、携帯電話でも差し支えない。

相続人(被相続人 松戸 一郎)
  千葉県柏市柏一丁目1番○号
(申請人) 松戸 花子 (印)
  連絡先の電話番号 047-703-××××

・添付情報

登記原因証明情報として通常必要なのは、遺産分割協議書、被相続人の出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)、相続人全員の戸籍謄本および印鑑証明書など。なお、相続人の戸籍謄本は被相続人の死亡後に発行されたものが必要。印鑑証明書などその他の書類については有効期限等の決まりはなし

住所証明情報として、申請人(不動産を取得する相続人)の住民票の写しを添付する。住民票の写しはマイナンバー(個人番号)が記載されていないもの。なお、「住民票の写し」とは、市町村から発行された書類そのもの(原本)のことであり、自分でコピーしたものを添付するわけではない。

代理権限証明情報を添付するのは代理人により登記申請をするときのみ。この場合、代理権限証明情報として委任状を添付する。

・代理人

代理人により登記申請をする場合のみ記載。申請人(相続人)自身が登記申請する場合には、上記の「申請人」で解説したとおり、申請人が押印し、連絡先の電話番号を記載する。

・課税価格

課税価格は固定資産評価額により、1,000円未満の金額は切り捨てる。たとえば、固定資産評価額が12,345,678円なら、課税価格は12,345,000円とする。また、固定資産評価額が1,000円未満の場合には、課税標準は1,000円となる。

・登録免許税

登録免許税は課税価格の1,000分の4(課税価格の0.4%)で、計算した額に100円未満の端数があるときは切り捨てる。また、計算した額が1,000円未満であるときには、登録免許税は1,000円となる。

・不動産の表示

登記事項証明書の通りにすべてを正確に記載する。敷地権付区分建物についての記載例は次のとおり。

不動産の表示

一棟の建物の表示
 所在     我孫子市我孫子一丁目1番地1
 建物の名称  我孫子マンション
専有部分の建物の表示
 不動産番号  0424001211111
 家屋番号  我孫子一丁目1番1の1000
 建物の名称  1000
 種類     居宅
 構造     鉄筋コンクリート造1階建
 床面積   20階部分 100.00㎡
敷地権の表示
 所在及び地番 我孫子市我孫子一丁目1番1
 地目     宅地
 地積     30000.00㎡
 敷地権の種類 所有権
 敷地権の割合 4000000分の10000

(注)登記事項証明書の表題部(一棟の建物の表示)に、「建物の名称」(本例では我孫子マンション)が記載されている場合には、一棟の建物の表示の「構造」と「床面積」を省略できる。建物の名称が登記されていなければ、原則どおり全てを記載する必要あり。

相続登記の申請書、添付情報のページに戻る >>