相続登記をするときになって、すでに完済している住宅ローンについての抵当権設定登記が抹消されないままになっているのが発覚することがあります。

住宅ローンを完済しても、借入先の金融機関などが自動的に抵当権抹消登記をしてくれるわけではなく、所有者自身が司法書士に依頼するなどして手続きをしなければならないからです。

そのため、住宅ローン完済から長い年月が経っているのにもかかわらず、抵当権設定の登記が抹消されずに残ってしまっているわけです。

抵当権設定の登記が残ったままになっていると、将来的に不動産を売却するときに支障が生じますし、気付いたときには少しでも早く抹消登記の手続きをしておくべきです。

抵当権抹消登記の手続きについても、相続登記の相談室ホームページを運営する千葉県松戸市の高島司法書士事務所にご相談ください。

住宅ローン完済と抵当権抹消登記(目次)
1.抵当権抹消登記はご自分で手続きする必要があります
2.相続する不動産に抵当権が付いている場合
3.団信による住宅ローン完済と抵当権抹消

1.抵当権抹消登記はご自分で手続きする必要があります

住宅ローンの借入をして不動産を購入するときには、借入先の金融機関(または保証会社など)によって、その不動産に抵当権設定の登記がされます。

そして、住宅ローンの完済をしたときには抵当権が抹消されることとなりますが、この抵当権は金融機関が抹消してくれるわけではなく、不動産の所有者が自分で抵当権抹消登記の手続きをする必要があります。

具体的には、住宅ローンの完済後、借入先の金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が交付されるので、この書類を使用して抵当権抹消登記の手続きをします。この手続きはご自分でおこなうのは難しいため、通常は司法書士に依頼して手続きをします。

2.相続する不動産に抵当権が付いている場合

したがって、住宅ローンの完済後には、ご自分で司法書士を探して抵当権抹消登記の手続きをしなければならないわけですが、金融機関から書類を受け取っただけで何の手続きもしていない方も多いようです。この場合、住宅ローンの完済から何年経っても、不動産には抵当権が付いたままです。

不動産を所有されている方が亡くなり、司法書士に相続登記の相談をするときになって、ずっと昔に完済した住宅ローンについての抵当権が抹消されていないのが判明することも多いです。このようなときは、相続登記とあわせて抵当権抹消登記の手続きを司法書士にご依頼いただくことになります。

このとき、住宅ローン完済時に金融機関から受け取っている書類が必要となります。抵当権抹消のための書類を紛失しているときでも、借入先の金融機関から協力を得ることができれば抵当権抹消登記は可能ですが、通常の場合より手間や費用がかかるかもしれません。

また、借入先の金融機関が現存しないときなどは更に手続きが大変になります。どのような書類が必要になるかなどについては司法書士にご相談ください。

3.団信による住宅ローン完済と抵当権抹消

住宅ローンの契約時に団信(団体信用生命保険)に加入しているときには、団信加入者の死亡により生命保険会社から保険金が支払われ債務が完済になります。

ただし、団信により住宅ローンが完済になっても、不動産に設定されている抵当権の抹消登記手続きは相続人ご自身によりおこなう必要があります。

団信により住宅ローンが完済になったときには、借入先の金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が交付されるので、この書類を使用して抵当権抹消登記をするわけです。

なお、この抵当権抹消登記をする場合には、その前に相続登記をおこなう必要があるので、通常は抵当権抹消登記と相続登記をあわせて司法書士に依頼することになります。手続きの流れなどについて詳しくは相続登記と抵当権抹消登記についてのページをご覧ください。