不動産相続登記の費用を教えて欲しい」とのご質問は、司法書士事務所へ最もよくいただくお問い合わせの一つです。

しかしながら、当事務所ホームページ「司法書士報酬」へも、はっきりとした価格表示はしていません。これは、不動産相続登記について一律の価格設定をするのが困難だからです。

不動産相続登記の費用を見積するには、登記する不動産の個数、その不動産の価格(固定資産評価額)、相続人の数、遺言書の有無などをお知らせいただく必要があります。

また、不動産相続登記をご依頼いただくときは、ほとんどの場合において、遺産分割協議書の作成についても司法書士にお任せいただくことになります。

この遺産分割協議書に記載するのが、不動産だけなのか、または、多くの遺産(預金、有価証券等)についての詳細な記載が必要なのかによっても作業量は大きく変わってきます。

この他にも、個々のケースによっては、通常よりも多くの作業が発生することもあります。最終的に行うべきは、相続による不動産の名義変更登記だとしても、そこに至るまでの道のりは様々です。

よって、相続登記の費用については、標準的なケースの場合や最低額を示しておき、正確な費用についてはお話を伺って資料等を確認したうえでお見積もりすることにせざるを得ないのです。

たとえば、最も作業が少なく済むケースとしては、法定相続人が被相続人の一人の子供のみの場合です。このときは遺産分割協議書の作成が不要であり、収集すべき戸籍の数も多くないと予想され、さらに相続関係説明図などの相続を証する書面(登記原因証明情報)の作成にも時間がかかりません。

このような場合の司法書士報酬は、当事務所の相続登記についての最低額である52,500円に収まると思われます(戸籍謄本等をご持参いただいた場合)。

また、相続人が複数であり、遺産分割協議書の作成が必要な場合であっても、不動産の所在地が1箇所であれば司法書士報酬の額が6,7万円に収まることが多いです。

さらに、不動産の所在地が2箇所に渡り、遺産分割協議書に記載すべき遺産が多い場合であっても、10万円程度で済むのが通常であり、これを大きく超えるケースは滅多にありません。

したがって、当事務所に相続登記をご依頼いただいた場合の報酬は5万円から10万円程度の場合がほとんどだと考えていただいてよろしいかと思いますが、それにしても2倍の差が出てしまうわけです。

ところで、司法書士に問い合わせをする際は、事前に見積をしてもらえるのかを確認した方が良いでしょう。大体いくらくらいというような話で依頼してしまうと、後になって思いもかけずに高額になることもあるかもしれません。

ホームページで価格を明示している事務所の場合、かなり低額な表示になっていることが多いので心配は要らないかもしれません。しかし、当事務所にお越しいただいた方から聞くところでは、別の事務所に聞いてみたら倍以上の費用の提示を受けたなどとのお話もしばしばです。

当事務所では、全ての業務において適当かつ妥当な価格設定となるよう心がけております。また、相続登記をご依頼いただく前には、必ずお見積もりをしております。見積もりは無料ですし、依頼するかどうかは、その後に決めていただいて結構です。