法定相続による相続登記(不動産の名義変更)

法定相続人が1人のみの場合、また、法定相続人が2人以上であっても、その法定相続分での共有名義に登記する場合には、法定相続による相続登記となります。

不動産相続登記 目次
1.相続登記 手続の流れ
2.相続登記の必要書類(法定相続による場合)
3.法定相続分の共有名義にする場合の注意事項

1.相続登記手続きの流れ

司法書士に相続登記をご依頼くだされば、大変手間のかかる戸籍謄本などの収集を含め、ほとんどの手続きを司法書士にお任せいただくことができます。

そのため、とくに事前準備などをすることなく、はじめから司法書士にご相談くだされば何も問題ありませんが、ご参考までに手続きの流れをご説明いたします。

1-1.初回のご相談

最初は、とくに書類をお持ちいただかなくともご差し支えありませんが、登記する不動産の固定資産評価証明書(または、固定資産税の納税通知書)をお持ちいただければ、実費(登録免許税)を含めた登記費用のお見積ができます。

当事務所へご依頼されるかどうかは、お見積もりをご覧いただいてから決めていただいて結構です。もちろん、ご相談・お見積もりだけでしたら費用はかかりません。

手続きに必要な書類については、ご相談時にくわしくご説明するとともに、一覧表をお渡ししますから事前のご準備は不用です。ただし、早く手続きを進めたい場合には、相続登記の必要書類をご覧になって出来る範囲でご用意ください。

1-2.必要書類の収集、作成

相続登記をするのに必要な、戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)、住民票(戸籍附票)などを収集します。司法書士が全て代わりにお取りすることもできます。必要書類が揃ったら、司法書士が作成した登記申請の委任状に署名押印をいただきます。

1-3.法務局での登記申請手続

司法書士が相続登記申請書やその他の必要書類を作成し、代理人として登記申請手続をします。法務局(登記所)での手続きは、全て司法書士が行いますので、ご依頼者様に出向いていいただくことはありません。法務局へ登記申請をしてから、登記が完了するまでは1,2週間程度かかります。

1-4.登記済書類の交付

相続登記申請が済んだら、法務局から交付された、登記識別情報通知(権利証)、登記事項証明書(登記簿謄本)などの登記完了書類をお渡しします。また、法務局から返還された戸籍謄本、住民票なども相続関係証明書として一綴りにしてお返しいたします。

2.相続登記の必要書類(法定相続による場合)

ご相談にお越しいただければ、相続登記の必要書類について一から分かりやすくご説明しますので、事前のご準備はとくに不要です。それでも、素早く手続きを進めるためにも、ご相談前に書類の収集を進めたいという方は下記の解説をご覧ください。

できる限りお持ちいただきたいものは準備できればで構わないものです。

2-1. 被相続人(亡くなった方)に関するもの

死亡の旨の記載のある、戸籍謄本(除籍謄本)

被相続人の死亡の旨の記載のある戸籍謄本(または除籍謄本)です。

上記以外の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)

不動産相続登記をするには、上記の「死亡の旨の記載のある戸籍謄本」だけではなく、被相続人が生まれたとき(または、少なくとも満13歳頃)から、死亡に至るまでの戸籍、除籍、改正原戸籍など全てが必要です。 多くの場合、複数の戸籍謄本(除籍、原戸籍)を集めることになり、大変手間がかかりますから、通常は当事務所にてお客様に代わって取得しております。

住民票の除票

被相続人の死亡の旨の記載のあるもの。本籍地を省略しないでください。住民票は、除票になってからの役所での保存期間は5年ですので、発行されない場合は結構です。

2-2.相続人(配偶者、子、父母、兄弟姉妹など)に関するもの

戸籍謄本

全ての相続人の戸籍謄本が必要です。

住民票

本籍地の記載を省略しないでください。戸籍謄本と同じく、全ての相続人についての住民票が必要です。

2-3.相続財産(土地・建物)に関するもの

登記済権利証(登記識別情報通知書)、または登記簿謄本(登記事項証明書)

相続による所有権移転(名義変更)の登記では、登記済権利証を提出する必要はありません。けれども、登記をする不動産を特定するために、できる限り権利証をお持ちいただき記載内容を確認しております。

固定資産評価証明書、または固定資産税の納税通知書

固定資産評価証明書は、登記費用の見積もりに必要ですのでできるだけお持ちください。 不動産所在地の市町村役場(東京23区では都税事務所)で取得できます。登記申請と同一年度(平成22年に相続登記をするならば、平成22年度)のものが必要です。また、お取りになる際は、市役所等の職員に、登記申請に使う旨をお伝えください。なお、固定資産税についての納税通知書がお手元にあれば、固定資産評価証明書が無くてもお見積もりは可能です。

2-4.その他

・相続放棄申述受理証明書

法定相続人の中に、家庭裁判所で相続放棄の申述をした方がいる場合に必要です。

相続登記に必要な書類(遺言書が無い場合)・・・上記の内容を1枚にまとめました。印刷する際にご利用ください

3.法定相続分の共有名義にする場合の注意事項

各相続人の相続分は民法により定められていますが、この法定相続分どおりに相続登記するのが法定相続による相続登記です。

法定相続分どおりに登記すれば相続人間に不公平が生じないことから、被相続人の複数の子が相続人であるような場合に、法定相続分での共有名義による登記を希望される方が多いです。

3-1.後で単独名義に変更するには

とりあえずのつもりで共有名義に相続登記したとしても、その不動産を売却するとなれば共有者全員が手続きをする必要があります。また、後になって単独の名義に変更しようとする場合には、贈与や売買の方法によることになります。

したがって、今後も共有名義人が共同で不動産を所有・管理したいとしていきたいと考える場合を除いては、相続登記をする際に遺産分割協議をおこない、相続人中の1人の単独名義にしておくのが望ましいと考えられます。

3-2.共同相続人中の1人からの単独申請

なお、法定相続分どおりに相続登記する場合、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)などにより相続人の全員を明らかにする必要はありますが、遺産分割協議書の添付は不要なので、必要書類は少なく手続きも他に比べて簡単だといえます。

さらに、法定相続分どおりに相続登記する場合には、他の相続人の同意を得ること無しに相続人中の1人から手続きをすることも可能です(保存行為)。よって、遺産分割協議がまとまらない場合であっても、登記をしてしまうことも可能です。

しかし、申請人にならなかった人には登記識別情報が通知されないので、相続人全員により申請する(または、委任状を提出する)のが原則だと考えるべきです。

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